問い:ダノンデサイルに軸を張れるか
第67回宝塚記念(6月14日、阪神芝2200m)の軸馬は誰か。
圧倒的な本命はクロワデュノールだ。大阪杯(芝2000m)を1番人気で制し、天皇賞春(芝3200m)も1番人気で勝った。春GI2連勝、GI通算4勝。5戦無敗のダービー馬が古馬GI戦線でも完璧に君臨している。
一方で、もう一頭のダービー馬がいる。ダノンデサイル(牡5、安田翔伍厩舎)。2024年東京優駿を46.6倍の大穴で制した印象的なダービー馬だ。しかしダービー以降、GIでは3着が3回続く「あと一歩」が続いている。
果たして、このダノンデサイルに軸を張れるのか。データと事実から検証する。
ダノンデサイルの最近の成績
| 日付 | レース | 着順 | 人気 | オッズ | 上り |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026.04.05 | 大阪杯(GI・芝2000m) | 3着 | 2人気 | 3.9倍 | 34.9 |
| 2025.12.28 | 有馬記念(GI・芝2500m) | 3着 | 2人気 | 3.8倍 | 35.0 |
| 2025.11.30 | ジャパンC(GI・芝2400m) | 3着 | 3人気 | 5.0倍 | 33.8 |
| 2025.08.20 | インターナショナルS(英GI) | 5着 | 3人気 | 3.6倍 | — |
| 2025.04.05 | ドバイシーマC(GI) | 4着 | 1人気 | 5.7倍 | — |
| 2025.01.26 | AJCC(GII・芝2200m) | 1着 | 1人気 | 2.6倍 | 36.0 |
GI3着が3回連続。しかし着差はこうだ。
- 有馬記念:0.1秒差(ミュージアムマイルが勝馬)
- ジャパンC:0.5秒差(カランダガンが勝馬)
- 大阪杯:0.3秒差(クロワデュノールが勝馬)
3着が続くが、有馬記念の0.1秒差は「もう一声」の世界。力は間違いなくGI級だ。
クロワデュノールとの比較
直近の対戦成績
両馬は2025年ジャパンCで直接対決している。
- ジャパンC(芝2400m):ダノンデサイル3着、クロワデュノール4着
- 大阪杯(芝2000m):クロワデュノール1着、ダノンデサイル3着
ジャパンCではダノンデサイルが0.1秒先着。大阪杯ではクロワデュノールが0.3秒先着。距離によって優劣が逆転する興味深い構図だ。
距離適性
| 距離 | ダノンデサイル | クロワデュノール |
|---|---|---|
| 2000m | 大阪杯3着 | 大阪杯1着 |
| 2200m | AJCC1着 | — |
| 2400m | JC3着、ダービー1着 | ダービー1着、JC4着 |
| 2500m | 有馬3着 | — |
| 3000m | 菊花賞6着 | — |
| 3200m | — | 天皇賞春1着 |
ダノンデサイルは2200mでAJCCを勝っている。今回の宝塚記念と同じ距離だ。一方クロワデュノールの2200m実績はなく、2000m〜3200mの幅広さが強みだが、2200mは未知の領域。
上り3ハロンの比較
| レース | ダノンデサイル | クロワデュノール |
|---|---|---|
| 大阪杯(2000m) | 34.9 | 34.9 |
| ジャパンC(2400m) | 33.8 | 34.4 |
大阪杯では同一。ジャパンCではダノンデサイルが0.6秒速い末脚を繰り出した。ダノンデサイルの末脚は瞬発力勝負になればクロワデュノールを上回る可能性がある。
宝塚記念への好材料
1. 戸崎圭太騎手の復帰
大阪杯は騎乗停止のため坂井瑠星騎手が騎乗。このレースで3着に健闘したが、本来のコンビではない。戸崎騎手はAJCC勝ちの際の手綱。1週前追い切りで栗東に駆けつけ、「ずいぶんいい動きでした。最後の直線で右にもたれる面が改善されているなと感じました」とコメント。相性の良い鞍上の復帰は大きい。
2. 馬具変更の効果
大阪杯からハミを変更し、直線で右にもたれる癖が改善された。この馬の最大の課題は「直線で内にササる」こと。これが直れば末脚をフルに活かせる。
3. 馬体診断A評価
デイリースポーツの馬体診断で最高評価のA。「筋肉質の馬体を誇示し、あばらをしっかりと見せて体脂肪の少ないシルエットは好感。引き続き好状態を維持している」。大阪杯後の約1カ月、豊富な攻め量で仕上がっている。
4. 2200mの実績
AJCC(芝2200m)を1番人気で快勝している。宝塚記念と同条件。距離適性に不安はない。
懸念材料
1. GI未勝利が1年5カ月
最後のGI勝ちは2025年1月AJCC(GII)。GIに限定すると2024年ダービーが最後で、丸2年勝ちがない。「3着職人」の烙印をどう払拭するか。
2. クロワデュノールの壁
大阪杯で0.3秒離された実績がある。2200mとはいえ、完全に逆転できる根拠が弱い。
3. レガレイラ・ミュージアムマイルの存在
レガレイラは前走有馬記念4着だが、エリザベス女王杯(芝2200m)を圧勝している。ミュージアムマイルは有馬記念勝馬。ともに軽ハンデ(牝馬55kg)で出走するレガレイラは脅威だ。
結論:軸にするにはリスクが高いが、馬券圏内は堅実
正直に言おう。ダノンデサイルを単独の軸にするには、クロワデュノールの壁が厚すぎる。 大阪杯で0.3秒離された事実は重い。距離が2000mから2200mに延びても、着差が完全に逆転するとは考えにくい。
ただし、馬券内(3着以内)の安定感は抜群だ。 GIで3着連続3回。この一貫性は「馬券に絡む確率が高い」という意味で、三連複や三連単の紐としては極めて優秀。
おすすめの買い方
- クロワデュノールを本命に据えるのが筋
- ダノンデサイルは相手筆頭として扱う
- 三連複なら [クロワデュノール、ダノンデサイル] の2頭軸にレガレイラ、ミュージアムマイル、メイショウタバルを流す形がベーシック
ダノンデサイルが「次こそ勝利」を果たすには、直線でモタれないこと。そしてクロワデュノールが2200mの未知の距離で万全でないこと。その2つの条件が揃った時、ダービー馬の意地が見られるかもしれない。
データソース:JRA公式、netkeiba、JBISサーチ、デイリースポーツ、日刊スポーツ(2026年6月10日時点)